スリーコール ラボ
コラム
Column
Vol17.
100⼈辞めて気づくこと
2024.7.8
本当に久しぶりのコラム更新となりました。
ここ1年は激流の中を激動していたような気分で、まさしく洗濯機の中に⼊れられたそんな1年で⾃分の今の⽴ち位置や、これからの道を考える時間もなかったように思います。
PRなどで⾒ていただいた⽅もおられると思いますが、スリーコール株式会社は2024/4/9をもって、アップセルテクノロジィーズ社へ事業譲渡し、新たなステージで挑戦することとなりました。
表向きに綺麗に⾔えば、「より企業価値を上げるため」だとか「新しいサービス展開における可能性を⾼めるため」と⾔えば聞こえは良いが、実情はそうではない。
運が急に枯れたように降りかかる困難、苦難があり、たくさんの⼈との別れ、⾃分⾃⾝を信じることも難しく、助けを求める⽅法もわからず、⼈間不信となり、真っ暗なトンネルを鉄球の重りをつけて歩かされているような、そんな状態が本当の姿であった。
ただ、今⽇においては私の顔は晴れやかである。気⼒に満ち溢れ、情熱がほとばしっており、本来の天野に戻ったと⾔っても過⾔ではない。現に、ここ最近会う⽅には「本当に元気になられて良かった」と⾔っていただけるほどだ。他者から⾒ても、それほど重病⼈の顔をしていたのだなとも思う。
では、私はどう再起したのだろうか?という話では今⽇はない。この1年で私の側を離れていった⼈たちのお陰で気付けたことが沢⼭ある。そんなコラムだ。
まず、経営不振の始まりは些細なことだった。売上⾄上主義に蝕まれた危うい経営体制、昨⽇あったものは今⽇もあるという慢⼼、せっかく⼀滴ずつ溜めた⽔を⼀気に飲み⼲すという愚⾏。こういったものが同時に起きると、企業は驚くほど簡単に壊れる。
そうすると、⼈間は複数のグループに分かれる。
- ①さっさと⾒切りをつけて離脱する
- ②この危機を乗り越えればチャンスだと奮起する
- ③危機を⾒て⾒ぬふりをする
- ④危機だ!と叫んで周りを煽る
- ⑤とりあえず様⼦を⾒る
ざっくりこんなグループだったと記憶している。⼀⼈の⼈間として⽣存率が⾼いのは①であることは明⽩だ。しかしながら企業戦⼠の精神が⾼い⼈は②を選ぶ、③は⼀⾒は無害だが実は⾒ないふりをしているので危険もはらんでいる。④は本当にやめてほしい。⑤は⾃分を賢いと思っている傾向にあるので少しだけ厄介な存在だ。
偏⾒まみれで⾒るとこんな感じなのだが、どれが良いとか悪いとかではない。『⼈間はこうなるものだ』と私は伝えたい。危機に⾯したときに、誰々がこうしてくれないとか、あーしてくれないと嘆くのは、本当に時間と精神⼒の無駄でしかない。やるべきことはただ⼀つ、⼀刻も早く⑥の⾏動枠を作るのだ。
⑥みんなで乗り越えるためにこうするぞ!!
この発信が私には⾜りなかった。具体性もなければ、スピード感もない。20年近く前に韓国で起きた地下鉄⽕災事件を覚えているだろうか?あの時も私のような先導できない⼈間のせいで、たくさんの⼈が犠牲となってしまった。私がまだ幸運なのは、誰の命も失っていなければ、私もまだ⽣きているということだ。
⽣きていれば必ずリベンジの機会は訪れる。
リーダーである皆さんは危機に⾯したときにどうしているだろうか?誰よりも重責を背負い、気苦労も多く、⼿前勝⼿な意⾒を⾔ってくる輩を相⼿し、誰が味⽅で誰が敵かもわからない。中にはハイエナのようにここぞとばかりに攻撃してくる奴もいる。そんな時こそ、リーダーの真価が発揮されるのだ。まずは仲間と信じた⼈たちとどう危機を乗り越えるのか、これを根拠なんてなくても良い、まずは⼤きな声で叫ぶこと。それは必ず⼈の⼼を動かし、社内から社外へと伝播し、暗いトンネルに光をもたらしてくれるだろう。